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猫のブリーダーが記録管理アプリ「Breeding Master」を自作した理由

コラム代表ブリーダー 星野 剛徳

猫のブリーダーが記録管理アプリ「Breeding Master」を自作した理由

交配から出産、子猫の成長まで続く記録の管理に困った経験から、住宅設計出身のブリーダーがアプリを作りました。そのきっかけと、作ってみて気づいたことを綴ります。

ブリーダーの仕事と聞くと、猫のお世話や出産、子猫の子育てを思い浮かべる方が多いかもしれません。けれど実際には、それと同じくらい「記録すること」がたくさんある仕事です。

頭の中だけでは到底管理しきれないほど、日々さまざまな情報が積み重なっていきます。たとえば次のようなものです。

  • 交配した日
  • 出産予定日と、実際に生まれた日
  • 子猫の体重
  • ワクチンの日
  • マイクロチップ
  • どの子とどの子の間に生まれたのか

探せばある、でも探さないと出てこない

私も最初から特別な管理方法を使っていたわけではありません。スマホのメモやカレンダー、紙などを使い分けていて、写真は写真でスマホの中にどんどんたまっていきました。その頃は、それで特に困ることもありませんでした。

ところが頭数が増え、何年も続けているうちに、「この子の昔の記録はどこだっけ」「前回の出産は何日だったかな」「前はどのくらいの体重だったかな」と迷う場面が少しずつ増えていきました。探せばたぶん見つかります。でも、探さないと出てこない。これが地味に手間でした。

ブリーダーの流れに合うアプリが見つからなかった

ある時ふと、「なぜ全部をまとめて管理できるアプリがないのだろう」と思いました。ペットの健康管理アプリ、スケジュール管理のアプリ、写真を保存するアプリは、それぞれいろいろあります。

けれど、交配し、出産し、子猫たちが育ち、新しい家族のもとへ旅立っていく。そうしたブリーダーの仕事の流れに合わせて作られたものは、少なくとも私が欲しいと思う形ではなかなか見つかりませんでした。それなら自分で作ればいい。今振り返ると、ずいぶん軽い気持ちで始めたものです。

住宅設計から、ブリーダーの仕事の設計へ

私はもともと住宅の設計をしていて、今は猫のブリーダーをしています。プログラマーでもなく、IT企業で働いた経験もありません。

ただ、建築の仕事をしていた頃も、「ここにこれがあれば使いやすい」「この動線では不便ではないか」「どう配置すれば分かりやすいか」といったことをずっと考えていました。今はその対象が住宅から、ブリーダーの仕事の流れに変わっただけ。やっていることは意外と似ているのかもしれません。

こうして作り始めたのが「Breeding Master」です。交配、出産、子猫の成長、写真、予定といった、ブリーダーが日々向き合っていることを、できるだけ一つの場所にまとめたい。最初はそれだけの思いでした。

ところが作り進めるうちに、子猫の成長記録を新しい飼い主さんにも渡せたら面白いのではないか、写真だけでなくその子がどう育ってきたかを残せたらいいのではないか、迎えたご家族の側でも使える形にできないか、と考えることがどんどん増えていきました。気づけば、最初に思い描いていたよりもかなり大きなものになっています。

作ってみて分かったこと

アプリを作って一番強く感じたのは、自分が困っていることと、ほかの人が本当に困っていることは、必ずしも同じではないということです。

自分では絶対に便利だと思って作った機能があまり使われないこともあれば、反対に「そこをそんなに使ってくれるんだ」と驚くこともあります。これは実際に世に出してみるまで分かりませんでした。ですから今は、完成品を作るというより、使っていただきながら育てているという感覚に近いです。

ブリーダーを始めた頃は、自分がアプリを作るなんて想像もしていませんでした。それでも「これは不便だな」「もっとこうできないかな」という気持ちを放っておかなかった結果、今があります。きっとこれからも、猫たちのお世話をしながら「なぜこれがないのだろう」を見つけては、何かを作っていくのだと思います。

この記事は、note に書いた「ブリーダーをしていて「これ、なんでアプリがないんだろう」と思った話」をもとに、サイト向けにまとめ直したものです。
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