← コラム・お知らせ一覧に戻る

COLUMN

愛猫3匹が尿路結石に。ブリーダーの私がキャットフードの成分表を比べるまで

コラム代表ブリーダー 星野 剛徳

愛猫3匹が尿路結石に。ブリーダーの私がキャットフードの成分表を比べるまで

2歳のオス猫が尿路結石で繁殖能力を失い、さらに2匹が続きました。フードを疑った私が成分表を同じ物差しで比べるアプリを作り、気づいたことをまとめます。

うちの2歳のオス猫、ベアルは、ふだん吐き戻しをしない子です。その日に限って吐いたので様子を見ていると、おしっこがちょろちょろと漏れていました。お腹に触れると、膀胱がパンパンに張っています。深夜でしたが迷う余裕はなく、すぐに動物病院へ電話し、尿道に管を入れて詰まった石を取り除く処置をしていただきました。

しかし尿道はすでに傷ついていて、ベアルはおちんちんを失うことになりました。先生が懸命に治療してくださったおかげで今は元気いっぱいですが、繁殖能力は戻りません。ブリーダーにとって、オスは命です。

3匹続いて、フードを疑うように

その後、ラグドールのポエムくんとリョウタくんも尿路結石になりました。幸い2匹とも処置をして無事です。

1匹だけなら体質かもしれません。けれど3匹続けば、偶然とは思えませんでした。今のフードがうちの子たちに合っていないのではないか。その疑いが頭から離れなくなったのは、このときからです。

振り返ると、ベアルにはサインが出ていました。

  • いつもはしない吐き戻し
  • おしっこが少しずつ、ちょろちょろ漏れる
  • お腹(膀胱)がパンパンに張っている

オス猫は尿道が細く、石が詰まりやすいと言われています。おしっこが出ない状態は命に関わるので、こうしたサインがあれば、夜中でも迷わず病院に連絡してください。

成分表は、並べても答えが出なかった

フードの袋の裏には成分表も原材料も書いてあります。最初は見比べればすぐ分かると思っていましたが、実際に並べると意外なほど難しいものでした。

  • 数字の条件がそろっていない。タンパク質30%と33%でも、水分量が違えば単純に比べられず、水分を除いた「乾物換算」にそろえる必要があります。
  • 載っている項目がフードごとに違う。マグネシウムやリンの量が書かれているものも、ないものもあります。
  • 原材料名の意味が分からない。「ミール」「コーングルテン」「エンドウタンパク」など、読めても猫にとって良いのかどうかまでは見えてきません。

何がいけなかったのか知りたいのに、袋を何枚並べても答えが出ない。このもどかしさが、すべての始まりでした。

自分で比べられる道具を作りました

私が知りたかったのは、誰かのおすすめランキングではありません。うちの子が今食べているフードを、同じ物差しで並べて見たかったのです。そこで作ったのが、フード成分比較アプリ「Cat Food Analyzer」です。できることはシンプルです。

  • 成分表の数字を乾物換算にそろえ、同じ条件で比べる
  • タンパク質・脂質・マグネシウム・カルシウムとリンのバランスなどを「良いところ/気をつけたいところ」に分けて表示する
  • 原材料を一つずつ、何なのか、猫にとってどんな役割かを言葉で説明する
  • 複数のフードを混ぜて与えている場合、組み合わせ全体のバランスを目安で出す

試しに、うちの猫たちが今食べている3種類のドライの総合栄養食を入れてみました。商品の良し悪しを言いたいわけではないので、フードA・B・Cと呼びます(タンパク質・脂質は乾物換算、カロリーは100gあたり)。

  • フードA(ターキー):タンパク質約37%、脂質約18%、370kcal。タンパク質がしっかりめ。
  • フードB(鶏肉):タンパク質約33%、脂質約11%、340kcal。マグネシウムは乾物0.18%でやや多め、カルシウム:リン=1.3:1。脂質控えめで太りやすい子向きですが、3つの中ではマグネシウムがやや多め。
  • フードC(チキン):タンパク質約37%、脂質約14%、370kcal。マグネシウム少なめ、カルシウム:リン=1.2:1。尿路が気になる子にも選びやすい配合。

3種類を同じ量ずつ混ぜた場合、全体のバランスは「良好」の判定でした。タンパク質は乾物換算で約36%、タンパク源も複数あって偏りにくい組み合わせです。一方で、3つともドライなので水分が足りていない。ここは盲点でした。

比べてみて分かったこと

一番の収穫は、「良いフード」と「その子に合うフード」は別物だと実感できたことです。脂質控えめのフードは体重管理に向いていても、マグネシウムが多めなことがある。どの数字を優先するかは、その子の体質や持病しだいです。

そして、尿路結石の原因はフードだけではありません。尿の濃さやpH、飲む水の量、運動量、体質も関わります。成分の比較は、原因を探す手がかりのひとつにすぎません。

もちろん獣医さんにも相談しています。それでも最後に決めるのは飼い主の私です。どんな専門家の意見にも100%はないからこそ、自分で調べ、自分の目で確かめ、納得して決めたい。このアプリはそのための道具です。なんとなく不安だけれど何を見ればいいか分からないをカタチにしたアプリを作りました。欲しい方はぜひ応援お願いします。

なお、成分値はメーカー公表の保証成分値をもとにしており、乾物換算や評価はアプリで算出した目安です。治療中の子や体調に不安がある子は、必ず獣医師に相談してください。

この記事は、note に書いた「2歳のオス猫が、尿路結石で繁殖能力を失った。ブリーダーの私がフードの成分表と向き合うまで」をもとに、サイト向けにまとめ直したものです。
note で元の記事を読む

MORE

ほかの記事

CONTACT

記事を読んで気になったことがあれば

子猫のことやお迎えのこと、どんなことでもLINEでお気軽にお尋ねください。

LINEで問合せ